九州王国

2025年03月14日

九州王国4月号(2025)発売です

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大特集は「戦争と戦後が始まった地、鹿屋

一瞬、タイトルを見ると「間違いかな?」と混乱しそうですよね。
謎かけのようですが、このタイトルの通りなんです。鹿児島県の大隅半島、鹿屋は「真珠湾攻撃が発案された地」(=戦争が始まった地)であり、「戦後最初に連合軍が進駐した地」(=戦後が始まった地」でもあるんです。それに加えて、特攻隊の出撃基地でもあったという、太平洋戦争と深い深い関わりを持った地。戦後80年という節目の年に、風化させてはいけない記憶を、経験者から直接取材させていただきました。
九州王国連載陣の渡辺考さんも、戦争の記憶を映像化し続けており、「生の声を聴ける今こそ、しっかり取材して、その記憶を残すのがメディアの責務」と先日ともに話したところでした。
私たちにできる範囲ではありますが、きちんと責務を果たせる媒体でありたいです。


第二特集は「九州 大正モダニズム

こちらはモボ・モガ全盛期を思わせるおしゃれデザインの特集です。
大正時代って15年しかないわりには、ものすごく日本人の感性や価値観が変わった時代。そんな15年の間に、九州ではどのようなことがあって、どのような人が活躍したのかを取材しました。
九州イチの大正大事件といえば、やはり桜島大噴火でしょうか。これにより桜島と大隅半島が地続きになりました。地図を変えるほどの噴火、当時は大変な事態だったことと思います。その他にも、世界的に有名なあの人が九州を訪れていたり、世紀のかけおち事件が起きたりと、大正時代はニュースが盛りだくさんです。


という特集二本立て。表紙は3月号に引き続き桜です。2号連続桜ですが、全く印象が違うのが面白い。ぜひ見比べてみてください。



2025年02月25日

連載作家さんのテレビ登場情報

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先週金曜に放送されたNHK福岡の番組「誰がための線路か」。

前日に九州王国連載陣の石井幸孝さん(初代JR九州社長)から「明日見てね」とご連絡をいただき、録画予約してしっかり拝見。JRの歴代社長が登場する、非常に興味深い内容でした。民間企業となったJRにとって、鉄道はインフラなのかサービスなのか。株式上場した会社にとって赤字路線はどうすべきなのか。その見解はそれぞれ違い、とても考えさせられました。個人的には、石井さんがおっしゃっていた「鉄道網は国と国民からの負託資産だ」という言葉が一番しっくりきました。
たぶん一週間はNHK+で見れるのかな??おすすめです。


そしてご本人にもすぐメールしたのですが、一番驚いたのは、石井さん…お若いーーー!!!
92歳というテロップが間違ってるんじゃないかと思う視聴者、多いんじゃないでしょうか。言葉のキレの良さ、頭の回転の速さ、姿勢、発声、どれをとってもとても90代とは思えません。

九州王国の「古代ハイウェイ物語」もコアなファンが多い連載で、石井さんの頭の良さが随所から感じられる文章。読者感想もハイレベルで、作家と読者のどちらからも知的好奇心の高さが伝わってきて、担当編集者(=私)はいつも基礎知識がなさ過ぎて校正時に白目剥いています。少しでもついていけるよう、日々精進です…。



2025年02月14日

九州王国3月号(2025)発売です

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大特集は「福岡城と筑前黒田六端城」。

黒田長政が築いた「福岡城」とその出城「黒田六端城」の特集です。長政は広い領地を防衛するために、福岡近郊に6つの端城(出城)を築きました。若松、黒崎、鷹取山、益富、松尾、麻底良の6か所。担当したヤナッチは車に乗らないので、「車じゃなきゃ行けない城、週末に私、撮影してこよっか?」と気軽に申し出たのですが、「あ、行ける手段あるんで大丈夫っす」と断られ、週明けにその成果を聞きました。すると、「駐車場から撮影場所(城跡)まで、2時間くらい山道を登りました。スニーカーじゃ無理でした。ウエダさん行かなくて正解です」との報告を受け、安請け合いしなくてよかったーと胸をなでおろしました(笑)。私だって2時間くらい登れるけどね!


第二特集は「お母さんに、花束を

「偉人たちの母」にスポットを当てた特集です。「偉人って誰かね」「母だけでいいのかね」「父はどうなのかね」という多様性&コンプラに疑問を持つ皆さんへは、編集後記に答えを書いたのでどうぞお読みください。
偉人のお母さんたちは皆、豪傑で愛情深く、厳格で優しい。西郷さんも柴三郎先生も、みんなお母さんの性格を譲り受けているんだなーとほっこりします。最もほっこりできなかったのは、徳富兄弟(蘇峰&蘆花)のお母さんなんですけど、どうぞ41Pのエピソードで仰天してください。

という、今月も楽しい2本立て!チョコと一緒に一冊渡すというのも、新手のバレンタイン戦法としておすすめです (「好きです、今度一緒に六端城を登ってください」という告白に使ってもいいですよー)

2025年02月10日

長崎県大村市に名宿あり!@つわぶきの花

週末は、長崎県大村市の名宿「そのぎ茶温泉 つわぶきの花」へ行ってきました。

この訪問にはプロローグがありまして。
昨年11月に編集部主宰で行った交流会で、九州王国加盟店「つわぶきの花」の会長と、九州王国で「やくしまに暮らして」を連載する大野睦さんが出会い、意気投合されました。翌々週には早速会長が屋久島を訪れるという、驚きのフットワークの軽さを発揮。そのお礼に大野さんも大村を訪れたい、となったので、私と「つわぶきの花」担当のミカがご一緒させていただくことになりました。なんかみんな行動力ありすぎて、嬉しい。フットワークも軽いし、コミュニケーション能力も高いし、我々の交流会から新たな出会いも旅も生まれまくるの、とっても嬉しいです。

2か月前から予定していたこの旅ですが、なんと週末は大寒波による長崎道通行止め。
「無事行けるかな…」と心配しながらの出発でしたが、後部座席ナビ・ミカの名アシストにより、一般道で迂回しまくりながら、無事予定の1時間遅れで到着することができました。

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私の雪ビビリ運転に付き合ってくれた皆様。とりあえず、宿到着2秒後に撮影。


山を切り拓いて作った「つわぶきの花」は、全ヴィラ形式。母屋から各部屋まで、外の空気を楽しみながら、のんびり歩いていきます。歩きながら、花々など里山の風景を楽しみましょう!

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つららが下がる椿…


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カチンコチンの椎茸…



全ての景色が凍ってました。寒い。寒すぎる。でもこのお宿、源泉かけながしの温泉があるのです。それそれーー!至福!最高!
ディナー前にお化粧を落とすか悩む二人を前に、「速攻、落とす!絶対、落とす!」派の私は、誰よりも先に入浴。するとまだお湯が適温前でした(←加温形式)。

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「ぎゃーーー冷たいっ!!!」とマッパで悶える私が、部屋の中からばっちり見えていたそうです。
あ、この部屋、こういう作りになってんの?何も確認せず冷水に飛び込む勇者。心臓止まるかと思った。(露店風呂横の椅子の上に、雪が積もっているのが見えるかと思います)

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夕食(すっぴんです)では会長も支配人もご一緒してくださり、とても楽しくお話を聞かせていただきました。九州王国へのご要望や、大村の歴史ネタなどもたっぷり教えていただき、とっても貴重でありがたいお時間。大村純忠で特集を練る、ということだけは酔った頭で覚えています(←それだけ?…じゃないですよ。安心してください、覚えてますよ)

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お部屋にはなんと、コタツがありました。全員、ウン十年ぶりのコタツーー。おばあちゃん家みたいでなんだか懐かしい。
お茶を淹れるミカと、コタツで仕事をする大野さん。ミカンは屋久島より大野さん持参。おばあちゃんち過ぎる。コタツ、気持ち良すぎる。


美味しいお料理と、温かいホスピタリティと、最高の温泉を楽しみたい方は、ぜひ大村ICから車で5分ほどの「つわぶきの花」へ。和歌山取材から前日夜に帰ってきたばかりだったミカも、「疲れが取れた!癒された!」と言っておりました。皆さんも癒されに行ってみてください。







2025年01月14日

九州王国2月号(2025)発売です

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大特集は「九州の台所、長浜鮮魚市場を徹底解剖!

なんか最近九州王国、魚の話題が多いなーと思っている読者の方もいらっしゃるかもしれませんが、編集長もそう思ってます…なんか魚、多い(笑)。
九州各地の魚食文化を2022年ごろから追い続けている気がしますが、今月は九州の魚が集まる編集部のお膝元「長浜鮮魚市場」を徹底解剖してみました。わが編集部からも徒歩圏内、頑張ればランチに行けるくらいの距離にある、九州の台所です。
深夜0時から朝9時までの潜入取材をしたヤナッチが、翌々日くらいに「あ、あれ撮り忘れた…明日また撮りに行こ」と独り言を言っているのを聞き、いくら近いとはいえ、また深夜2時に潜入するのーー?と驚きました。気軽に「撮り忘れる」とか言っちゃえるの、すごい。早起きおじさん、深夜2時とか3時は平気みたいです。夜じゃなくて朝なんですってーーー私だったら、死ぬ気で撮り忘れないわ。
ということで、何度も深夜取材をした早起きの賜物を、ご高覧ください。



第二特集は「不思議な滝が潤す町」。

東洋のナイアガラ「原尻の滝」がある豊後大野市の特集です。こちら何が不思議って、川がなんと水田よりも低い位置で流れていること。川から水田に水を流すのが普通ですが、川のほうが水田より低いんです。ここが穀倉地帯となれた理由は、人の智恵が結集した結果。その営みを取材しました。「たんぼより川のほうが低い?なんでだろう?」と気づいた瞬間に、特集のネタが生まれます。日々のアンテナ、大事ーーー


ということで、今月も寒い中スタッフたちが身体を張った2本!どうぞお楽しみください

2024年12月13日

九州王国1月号(2025)発売です

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2025年最初の九州王国が、本日発売となりました。

大特集は「ノスタルジック佐賀」。
出身県・佐賀を愛してやまないミカが、佐賀に残るノスタルジックな建物や街並みなどを探し出してきました。佐賀(唐津)といえば、辰野金吾先生の出身地ですからね。そりゃあもう、東京駅に匹敵する素晴らしい建物を郷土にたくさん遺されているわけですよ。そんな「ノスタルジック建築物」はもちろん、各地の「ノスタルジック商店街」や「ノスタルジックお土産」まで見つけてくれています。取材中、極寒の商店街でアイスキャンディーをいただき、「震えます…」と写真を送ってくれました。震えた写真は21Pにあります(笑)。


第二特集は「北薩摩、サムライロードをゆく」。
鹿児島の北部各地に「麓」という武家屋敷群があるのをご存じでしょうか?出水や入来、甑島などさまざまな町に石垣が積み上げられた素敵な武家屋敷が残っています。それらを中心に、サムライたちの息遣いが今も感じられるような観光スポットをいくつか取材しました。甲冑を着て街歩きができたり(←重そう)、武家屋敷に泊まれたり。サムライ好き、時代劇好きの方はぜひ、北薩摩を旅しましょ!

中世〜江戸までの北薩摩と、明治〜昭和までの佐賀の特集。時代もきれいにリレーしました



2024年11月14日

九州王国12月号(2024)発売です

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まだほぼ夏服だというのに(本日、編集部には冷房が入っていたというのに)、とうとう2024年最後の九州王国が発売となりました。温暖化のせいか異常気象のせいか、全く年末感がないんですけど。美しい樹氷の表紙が、別の国の景色のようです。(←大分県玖珠郡)

大特集は「魚のおいしい町へ〜平戸・九十九島

冬のお魚特集です。東京在住のDTPデザイナーさん(誌面レイアウトをしてくださる外注デザイナーの方)が、「先月の月刊はかたのふぐ&あら特集といい、今号の王国の平戸&佐世保特集といい、九州の魚食文化すごいですね!」と褒めてくださいましたが、そう。この時期の九州の魚パワーはすごいです。北部も南部も美味しい魚にあふれています。
特に北西部!リアス海岸で養分満載の「九州北西部」は、美味しい魚の宝庫です。フグもアラもヒラメもカキもヒラマサも、一気に旬を迎えます。個人的にはこのエリアのヒオウギ貝も、これからの季節の楽しみ。今冬は「九州北西部」へ、とびきり美味しいお魚を食べに旅してください。


第二特集は「水俣・芦北・津奈木発のスーパーフード!

舌の根も乾かぬうちに、九州南部への旅もおすすめしちゃいます。こちらは、アンチエイジングに効果のある青パパイヤやら、記憶力向上の作用をうながすムクナ豆といった、いわゆる「スーパーフード」が多数誕生している奇跡のエリアの特集です。パイオニア精神を持つ生産者さんが多い地域なのか、小さなエリアで続々スーパーフードが生まれ始めている様子。そんなエリアの特徴と、生産者さんたちを取材しました。この特集の校正中に、漢字間違いを見つけるたびに「ほら!ムクナ豆食べて!」と豆ハラスメントをしておりました

北で魚を食べて、南でスーパーフードを食べてと忙しい2本立て。
図らずも今年ラスト号は、2大食特集になってしまいました。年末年始、お腹いっぱい楽しんでください



2024年11月11日

月刊はかた&九州王国加盟店交流会’24 開催しました!

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先週末、5年ぶりとなる「月刊はかた&九州王国 加盟店交流会」が行われました。
コロナ禍を理由に、2019年を最後にお休みしていたこの会。久々の開催となり、「皆さんに楽しんでいただけるかな」と少し不安もありました。

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2019年までは毎回ご参加くださっていた小松政男さんも2020年にお亡くなりになり。
少ししんみりした気持ちで、始まる前の会場を眺めていたのですが…


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杞憂でした。始まってみると、大盛況!!さすがはノリの良い博多&九州の皆さん。乾杯と同時に勝手に(笑)めちゃくちゃ盛り上がってくださいました
それにしてもトコさんのお洋服(右、赤&白&黄色)、いつもに増して華やかだわーー

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盛り上がりが最高潮に達したのは、御歳93歳、松崎さんによる博多にわかのご披露。
終わったばかりのアメリカ大統領選をネタに披露されたあとは、なんと会場からお題をもらって即興にわかも!!93歳ですよ!頭の回転が速すぎる。

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しかもそのネタが面白すぎて、会場内どっかんどっかん沸いてました。
お席から若い参加者の方が「こんなに、にわかって面白かったんだー」と言われている声が聞こえてきました。レジェンド!!

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今回は博多以外にも、長崎や屋久島など九州各地はもちろん、東京や沖縄からの参加者の方もいらっしゃったので、締めの「博多手一本」はまず練習してから(笑)。
練習と本番、2回も手を入れていただきました。
おかげでばっちり決まって、終宴。
抽選会中、マイクの声が通らないほど盛り上がってしまって(←予想外。笑)、一部聞き取りにくいところがあったことをお詫び申し上げます。

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私がスタッフ紹介コーナーをすっかりすっ飛ばしてしまったので(テヘッ)、この場を借りて最後に紹介しておきます。って写真貼るだけだけど。

お越しいただいた皆様、本当にありがとうございました!
今後とも、月刊はかたと月刊九州王国を、どうぞよろしくお願いいたします。


2024年10月16日

月刊九州王国11月号(2024)発売です

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紅葉のグラデーションが美しい九州王国11月号が上がってきました。

大特集は「ふしぎの半島 おおすみ」。

鹿児島県の大隅半島特集です。このエリアは交通の便はあまりよくないのですが、その代わりに秘境&秘祭が満載の魅力的な地域。行きにくいところにこそ、行くべき価値があるんですよね。車でのんびり行くもよし、鹿児島からフェリーで旅情たっぷり向かうもよし。秋の旅路はおおすみに行きましょう!

第二特集は「三浦梅園が見た宇宙」。

みなさん、三浦梅園さんってご存じですか?大分の偉人です。大分県の皆さんは、空港から市内へのホーバークラフトの1番船にも「Baien」と名付けられているくらいなのでご存じかもしれません。同じ大分の偉人、広瀬淡窓や帆足万里に比べると奥ゆかしいのか(?)若干知名度不足かもしれませんが、哲学者でありながら、医師で、教育者で、天文学者で、経済学者でもあるという万能偉人なんです。現代でも「医学部に通いながら司法試験に受かる」みたいな、頭良すぎて困っちゃう人がたまにいますが、梅園さんもその一人だったのでしょう。彼の哲学観と足跡に触れた特集です。

35Pに梅園の考える「動植分合總図」という、「意思持つ動物」と「意思を持たない植物」に万物を分別した図を載せているのですが、これが凡人にはわからなすぎて面白いです。「菌」が植物に分類されているのはまだわかるのですが、「石」「土」も植物に入っていたり。じっくり眺めていると、万物の根源(アルケー?)について考え始めちゃったりしそうです。学問って、行きつくところは哲学なんだろうな。…とわかったふりをしてみる


祭りの秋と、哲学の秋の二本立て。今月も読みごたえたっぷりですよ〜。

2024年09月13日

九州王国10月号(2024)発売です!

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大特集は「宮崎、白鳥伝説を追いかけて」。

主役はヤマトタケルです。…そう、またまた日本神話です(笑)。どんだけ神話好きなん、九州王国?と言われそうなのですが、だって日本神話って面白いんだもん 
宮崎は神話の宝庫なので、やってもやっても足りません。しかも今月(10月)は、博多座のスーパー歌舞伎もヤマトタケルということで、もう九州中がヤマトタケルといっても過言ではありません。(←うそ。過言です)
そろそろ「瓊瓊杵尊」とか変換なしで書けそうだわ。九州王国スタッフに出会った皆さん、紙とペンを用意して「ニニギノミコトって漢字で書いてみて」とかクイズ出してみてください。たぶんスタッフたちが…撃沈します。



第二特集は「肥後の銘酒で乾杯!

熊本はおそらく最南端の日本酒どころ。もちろん鹿児島や沖縄にも清酒を造られている蔵はありますが、「酒どころ」という意味では熊本が最南端ではないでしょうか。
吟醸酒ブームを引き起こした酵母「きょうかい9号」が生まれたのも熊本。私は無類の吟醸好きなので、熊本と野白先生に足を向けて寝られません。野白先生についても九州王国10月号でお読みください。

ということで、今月は神話と日本酒の二本立て!なんだか一足お先にお正月みたいなラインナップになりました