2012年02月28日
地方から直接、世界へ!
こちら、ストックホルムデザインラボが初めて手掛けたというワンカップです。
ストックホルムデザインラボ(SDL)というと、IKEAやソニーなど数々の世界的企業のデザインを施していることで有名なデザインチームですよね。
スカンジナビア航空のすべてのデザイン(機体も内装もグッズも)を手掛けていることでも有名。
私のデスクの上にある、アスクルのティッシュボックスもSDLのデザインです。
このSDLが初めて、日本酒のラベルをデザインしました。
どこの大手酒蔵かと思うと…なんと、山口県美祢市にある「大嶺酒造」という、小さな地方蔵のものです。
美祢市出身の友人に聞くと「知らない」と言ったくらい、小さな蔵。
2010年にそれまで止めていた製造を再開した、復活蔵です。
一体どういった経緯があったのか?
極めてシンプルです。
「社長が単身スウェーデンに乗り込み、SDLの創業者に直談判した」
ただ、それだけ。
日本酒なんてもちろん手がけたことがなかったSDLは「面白い!」と請け負ったそう。
この大嶺酒造の社長さんの、行動力と突破力って素晴らしいですよね。
いくら美味しいお酒を造っていても、周りと同じことをしていては世に埋もれてしまいます。
商品力は当然のこととして、それ以外の「プラスアルファ」をどうするか?
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国内の大御所デザイナーに払う大金はない。
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面白がって協力してくれる「未だかつて誰も思いついていない人」を探してみよう。
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見つけたら、自分で直接頼みに行っちゃう!
って、なかなかできないことですよね。
デザインもわかりやすくて斬新。
黒い米が一粒のものは大吟醸、二粒は吟醸、三粒は純米酒。
コンプラ瓶を思わせる真っ白い瓶も画期的です。
いわゆる西洋が思うステレオタイプな「オリエンタル」でもなく、日本人が考える「いつもの日本酒像」でもなく。
新しいけど奇をてらいすぎていない、って一番難しいことですよね。
こういう話を聞くと、地方にはまだまだ底力のある人が眠っているな、と思います。
「どうやったら売れるか」を本気で考えている人たちが、たくさんいるのです。
私たちは、「いいもの」を紹介する媒体であるのはもちろん、こうした「いい熱意」を持った人たちもたくさん発掘できる媒体でありたいと思っています。
東京の価値観を介さず、直接世界で勝負できるような「チカラのある地方」としての九州の魅力を探していきたいです。
※ちなみに山口は九州ではありませんが…お隣なので、勝手にちょっと親近感がわいてしまいました(笑)。