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2013年11月07日

映画「陸軍」と博多の町

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ここ数号の月刊はかたのなかで、映画「陸軍」がやたらと出てきていることに気付かれた方、いらっしゃるでしょうか?

「黒澤明・遺された47冊の創作ノート」の連載のなかでも何度か出てきていますし、今月号の「博多老舗ものがたり(水月編)」でも出てきているし、なんだかうっすら陸軍ブーム到来中なのです。(誤解を招きそうなブーム名ですが


ということで、いち早く興味を持ったサオリンがDVDを購入したので、それを編集部みんなで回覧中です。
昨日、私のもとにやってきたので、「深夜飲んだあとにモノクロ映画を観る」というチャレンジに挑みました。
(何がチャレンジかというと、私、すぐ眠くなっちゃう体質でして…テレビとか観はじめたらすぐ意識が遠のく特異体質でして…)。

ところがどっこい、これが非常に興味深く、全く眠くならずに完全一人試写会、終了できました。

昭和19年の戦時中に、戦意高揚のために作られた映画なので、ほぼ全編陸軍賛歌という、浅く観ると不快感を感じるかもしれない内容なのですが、そこはさすがの木下惠介大監督。
無言の行間に抵抗の意思を忍ばせています。

最後の、博多の町を走りながら息子を想う母親・田中絹代の姿には涙がポロポロこぼれました。
このシーンが、「戦意高揚に適さない」と軍部からにらまれたという評価に驚きと憤りを感じます。


何より博多の人にとっては、昭和19年の街並みが観られるのが面白いですよ。
編集部周辺もばっちりロケされていました。
当時の山笠風景も。飾り山のスタイル、全然変わってないんだなぁ〜と思ったり。
明治28年くらいのシチュエーションで「坊ちゃんの好物の鶴の子、買ってきましたよ」というセリフがあって、「明治38年創業なのにまだ鶴の子ないでしょっ!」と突っ込みを入れた自分の「博多愛」に驚いたり。


そして。

重要場面となる、橋の上から笠智衆さんがスイカを投げ入れる場面で、遊んでいる子どもの一人が、なんと、なんとなんと。

月刊はかたで連載されている岡部定一郎先生なんですってーーーー!!!

目を凝らしてみましたが、岡部少年の判別まではできませんでした(笑)
でもすごいですよね。面白い〜〜



ということで、博多っ子の皆様にお勧めしたい映画「陸軍」。
来月号の月刊はかたの連載「創作ノート」でもまた登場する予定なので、月刊はかたファンの方は先に観ておかれてはいかがでしょうか??

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